イデコはもらう時に税金がかかるって聞いてビクビクしていたけど、勉強したら控除を使ってうまく税金対策ができそうだよ。
これで安心してイデコが始められるね。
早速イデコの申し込みもしたよ♪
いざイデコを始めようと思ったら、「拠出時」(全額「所得控除」の対象)、「運用時」(運用益は非課税)は非課税で節税対策になるのに、「給付時」は課税の対象になると知りました。
毎月頑張って積み立てても、将来は重税に苦しむの!?!?!?
年金収入から税金を払うのは大変そう・・・と不安になりました。
しかし、イデコ一時金受け取り時の「退職所得控除」とイデコ年金形式受け取り時の「公的年金等控除」をうまく活用すれば、税金を抑えられることを発見!
今回は、イデコ年金形式受け取り時の「公的年金等控除」について勉強してみます。
イデコについて詳しくはこちらになります。
イデコの3つの受け取り方法
イデコで運用したお金は原則60歳以降に受け取ることができます。
受け取り方は以下の3つの方法になります。
- 一時金
- 年金形式
- 一時金+年金形式
一時金と年金の組み合わせ方や、年金の受け取り期間・回数は金融機関によって異なります。
以下は最近人気の楽天証券とSBI証券の受け取り方法をまとめておきます。
楽天銀行 | SBI証券 | |
受け取り方 | 一時金 年金 一時金+年金 | 一時金 年金 一時金+年金 |
年金の受給期間 | 5年以上20年以下の年単位で指定 | 5、10、15、20年 |
年金の年受給回数(年間) | 1回・2回・3回・4回・6回・12回 | 1回・2回・4回・6回 |
例えば、SBI証券で年金の受け取り期間20年、受給回数6回を選択すると、最大120回に分割して受け取れます。
年金は「公的年金控除」を使ってお得に受け取る
イデコで運用してきたお金を年金形式で受け取る場合は、「雑所得」扱いになり税金がかかります。
ここで「公的年金等控除」をうまく活用することが大切です。
公的年金等控除額の計算方法
「公的年金等控除額」については、国税庁のWebサイトから表をお借りしています。
「公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額1,000万円以下」の表になります。
公的年金等に係る雑所得の金額=(a)×(b)-(c)
一時金受け取り+公的年金の繰下げ受給で「公的年金控除」をうまく使おう
では、とてもシンプルな想定でイデコの年金形式と公的年金を組み合わせたお得な受け取り方を考えます。
イデコの一時金受け取り、公的年金の繰下げ受給について詳しくはこちらをご覧ください。
想定は本当にシンプルにしています。
60歳主婦(夫)収入0円 60歳までのイデコの運用資産1900万円 65歳からの老齢基礎年金受給額78万円(令和2年度の満額) *30歳から主婦(夫)がイデコ掛金2.3万円(月額)拠出。60歳まで年利5%で30年運用し、60歳で資産1900万円 *主婦の場合、公的年金は第3号被保険者で老齢基礎年金部分のみ。
では、65歳からイデコの年金も老齢基礎年金も受給するパターンをみていきます。
寿命は84歳に設定します。
イデコ⇒65歳~1900万円を年金形式で20年間 公的年金⇒65歳~老齢基礎年金受給 | 65~84歳 (年単位) | 65~84歳合計 |
A:65歳からイデコ年金95万円 | 95万円 | 1900万円 |
B:65歳から老齢基礎年金78万円 | 78万円 | 1560万円 |
C:公的年金などの収入金額の合計【A+B】 | 173万円 | 3460万円 |
D:控除額(雑所得の速算表より) | 110万円 | 2200万円 |
E:公的年金等に係る雑所得の金額【C-D】 | 63万円 | 1260万円 |
「E公的年金等に係る雑所得の金額」が結構大きい額になります…。
ではイデコの一時金受け取り+年金形式、公的年金の繰下げ受給のパターンを考えてみます。
イデコ⇒60歳で1000万円を一時金受け取り 60歳~900万円を年金形式で10年間 公的年金⇒70歳~老齢基礎年金繰下げ受給 | 60~64歳 (年単位) | 65~69歳 (年単位) | 70~84歳 (年単位) | 60~84歳合計 |
A:60歳からイデコ年金90万円 | 90万円 | 90万円 | 0万円 | 900万円 |
B:70歳から老齢基礎年金111万円 | 0万円 | 0万円 | 111万円 | 1665万円 |
C:公的年金などの収入金額の合計【A+B】 | 90万円 | 90万円 | 111万円 | 2565万円 |
D:控除額(上図より) | 60万円 | 110万円 | 110万円 | 2500万円 |
E:公的年金等に係る雑所得の金額【C-D】 | 30万円 | 0円 | 1万円 | 165万円 |
「E:公的年金等に係る雑所得の金額」がかなり抑えられました。
収入が公的年金のみの場合、「E公的年金等に係る雑所得の金額」から基礎控除などの各種所得控除を差し引いたものが課税所得金額となり、これに税率をかけて税額が計算されます。
もらい方を工夫するだけで「E公的年金等に係る雑所得の金額」が大きく変わります。
もらえる金額を増やすだけでなく、支払う税金も抑えられましたね!
この例では、受け取り方の違いで100万円以上もらえる金額がお得になります。
支払う税金額を考えると、さらにその差は大きくなります。
会社員であれば老齢基礎年金以外にも老齢厚生年金など他の公的年金があったり、退職金があったりと人それぞれ違います。
今のうちから老後資金全体を把握したうえで計画を立て、イデコをうまく活用していこうと思います。
今回もこちらの本を参考にしました。図解が多く分かりやすかったです。
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