塩に対してどのようなイメージでしょうか?
高血圧の原因になる
塩の摂りすぎは健康を損なう
減塩を意識している方は多いと思います。
勤務先のクリニックでも、先生が減塩についてよく指導されています。
減塩については気にされる方はいると思いますが、塩の種類について考えることは少ないと思います。
今回は、「摂ると良い塩」「減らすべき塩」についてです。
減塩について
減塩と聞いてまず思いつくのは、血圧との関係だと思います。
WHOは、「成人の食塩摂取量が 1 日 5 グラム未満であれば、血圧を下げ、心血管疾患、脳卒中、冠動脈性心臓発作のリスクを減らすのに役立つ」としています。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2020年版」では、健康な成人であれば、男性7.5g未満、女性6.5g未満としています。
自分がどれだけ食塩をとっているかの「推定食塩摂取量」は、尿検査で調べることもできます。
塩の種類
塩には精製塩(食塩)と自然塩があります。
精製塩(食塩)
科学的に合成された塩です。
「イオン膜・立釜法」で作られています。
イオン膜・立釜法
塩分だけが通過するイオン膜を利用して海水から濃い塩水をつくる→立釜で蒸発
法律で「精製塩は塩化ナトリウム分が99%以上」であるように定められています。
つまり、海水に含まれる豊富なミネラルはほぼ残っていません。
精製塩の代表格は、公益財団法人塩事業センターが生産している「食塩」になります。
自然塩
成分バランスが海水に近い塩。
加工過程にはいくつか種類があります。
天日平釜法 塩田で海水を濃縮→平釜で加熱蒸発 平釜法 平釜で加熱蒸発 天日法 塩田で海水を濃縮し、天日で蒸発 採掘法 天然の岩塩を掘り出す
自然塩は海水のミネラルバランスが豊富です。
自然塩でミネラル補給
人体に含まれるミネラルは約3kgあり、大切な栄養素の一つ。
地球上に存在する100を超えるミネラルのうち、栄養素として欠かせない必須ミネラルは16種類あります。
この必須ミネラルは、全て海水に含まれているのには驚きです。
海水の豊富なミネラルバランス
海水中には3.5%の塩類が溶けています。
海水に溶けている塩類
塩化ナトリウム(食塩) 77.9%
塩化マグネシウム 9.6%
硫酸マグネシウム 6.1%
硫酸カルシウム 4.0%
塩化カリウム 2.1%
その他 0.3%
必須ミネラルは16種類もあるのに、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、カリウムばかりで、バランスが悪いと思いませんか?
しかし、この比率が私たちが必要としているミネラルバランスになります。
海水は、羊水や人体の保つミネラルバランスにとても似ています。
反対に、精製塩(食塩)を摂ると体内のミネラルバランスが崩れることにもなります。
ミネラルの生理作用
ミネラルの生理作用はご覧の通りです。
(1)骨や歯の成分
カルシウム、マグネシウム、ナトリウム
(2)全身の組織や細胞、血液の成分
鉄、カリウム、リン、塩素
(3)体で行われる種々の化学反応を触媒する酵素の成分
鉄、亜鉛、銅、マグネシウム、マンガン
(4)筋肉や神経の興奮性や、酸・アルカリ反応の調整、浸透圧の調整、血液凝固に関与
ナトリウム、塩素、カルシウム
「減塩」が病気を作る!
ミネラルは、互いに影響しながら働くため、特定のミネラルをたくさん摂るのではなくバランスが大切です。
精製塩(食塩)を減らそう
調味料の精製塩(食塩)を自然塩に代えても、いろいろなところに食塩は潜んでいます。
鶏がらスープ、コンソメ、ほんだし・・・など他の調味料にも使用されています。
自然塩に比べ価格も安いため、加工食品や外食産業でもよく使われています。
ほぼナトリウムしか含まれていない食塩の場合、塩辛さだけで口にしやすく食塩を摂りすぎになってしまします。
一方、自然塩では体内の塩分量が必要量に達すると、マグネシウムなどの苦味を感じてそれ以上求めなくなり、過剰摂取になることはないようです。
自然塩の「ぬちまーす」を舐めると、ただ「しょっぱい」だけではなく、苦いようなえぐみが残るような味わいです。
しかし、「ぬちまーす」を加えたレモン水を、運動や汗をかいた後に飲むと、とっても美味しく感じられます。
「ぬちまーす」は海のミネラル豊富。
ぬちまーす | イオン交換塩 | |
塩分 | 73.97g | 99.6g |
ナトリウム | 29.25g | 39.18g |
マグネシウム | 3160mg | 15mg |
カリウム | 960mg | 88mg |
カルシウム | 900mg | 22mg |
自然塩は、ミネラル補給と減塩対策におすすめです。
こちらは断糖高脂質食ダイエットで有名な金森重樹さんもおすすめされている自然塩「ぬちまーす」です。
今回参考にした本です。
「すごい塩」の方がお気に入りです。
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