【甘酒】「甘酒は飲む点滴」ってホント!?

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今回の記事はこんな方にオススメ

「甘酒は飲む点滴」と言われるほど、栄養価が高いの?

「甘酒は飲む点滴」と言われるほど、飲むと健康になれるの?

「甘酒は飲む点滴」ともてはやされています。

今回は医療従事者として、「甘酒は飲む点滴」と呼ばれるほどの効果があるのか検証してみます。

点滴とは

点滴の種類は、大きく①細胞外液、②開始液、③維持液に分けられます。

細胞外液に分類され、主にナトリウムとカリウムしか含んでいないようなソルラクトという点滴もあれば、維持液に分類され、糖質、タンパク質以外にビタミンやミネラルも含むパレプラスという点滴もあります。

それぞれの組成は以下の通りです。

ソルラクト

パレプラス

パレプラスは末梢静脈から投与できる中で一番高濃度の点滴で、絶食加療中の患者さんに使うことが多いです。

それ以外の点滴ですと栄養補給というより、水分補給という意味合いの方が強いと思います。

しかし、「辛いから点滴をして欲しい」と来院される方も多く、点滴へ対する信頼は強い印象を受けます。

それは、症状に合わせて点滴に薬剤を混注しているおかげなのかなと思います。

嘔気がある患者さんに対しては制吐剤、疼痛がある患者さんには鎮痛剤を入れています。

しかも点滴は直接静脈内に薬を投与できるため即効性があります。

そのため、「点滴をすれば楽になる」「点滴はすごい」とお思いの方が多いのかもしれません。

甘酒の成分

可食部100g当たりの甘酒の成分は下記の通りです。

エネルギー76kcalビタミンA0μg
水分79.7gビタミンD0μg
たんぱく質1.7gビタミンE0mg
脂質0.1gビタミンK0μg
炭水化物18.3gビタミンB10.01mg
食物繊維0.4gビタミンB20.03mg
ナトリウム60mgナイアシン0.2mg
カリウム14mgビタミンB60.02mg
カルシウム3mgビタミンB12
マグネシウム5mg葉酸8μg
リン21mgパトテン酸0mg
0.1mgビオチン0μg
亜鉛0.3mgビタミンC
0.05mg
マンガン0.17mg
引用元:香川明夫(2020)『八訂食品成分表2021』女子栄養大学出版部

甘酒の成分をご覧いただくと、8割が水分、残り2割近くが炭水化物となります。

ビタミン、ミネラル類はほんの数%くらいしか含まれていません。

「甘酒には特に葉酸が多く含まれている」と言われていますが、8μg程度。

成人の1日の葉酸摂取推奨量は240μgなので、遠く及びません。

ちなみに100g当たり、焼き海苔には1900μg、ブロッコリーには210μgの葉酸が含まれています。

「甘酒は白米よりも炭水化物が少なく食物繊維が豊富」ともよく聞きます。

しかし、100gの甘酒中に0.4gしか含まれていません。

成人の1日の食物繊維摂取量は20g前後なので、こちらもとても少ない印象です。

そもそも比べる対象の白米には、食物繊維があまり含まれていません。

甘酒は飲む点滴なのか?

甘酒は飲む点滴と呼んでも良いとは思います。

なぜなら、点滴にはいろいろな種類があり、栄養価が高くないものが多いからです。

先ほど紹介したソルラクトですと塩分くらいしか入っていません。

つまり、塩水であっても「飲む点滴」と呼んでも良いくらいだと思います。

まとめ

「甘酒は飲む点滴」と言っても良いかもしれないが、点滴も甘酒も栄養価はあまり高くないです。

健康や栄養補給を目的に甘酒を多飲するのは、糖質の摂りすぎになり逆効果になる可能性もあります。

個人的には甘酒の優しい甘さが好きなので、砂糖代わりに料理で使ったり、し好飲料として適度に飲んでいきたいと思います。

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